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コルト・ロルトの物語*設定

【コルトロルトの物語】
第二案の為修正あり。
所々ネタバレあり。
わき役の名前追加?





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【コルトロルトの物語】

第一稿の為修正予定。保存の為掲載。
ICV(イメージしたキャラボイス)やIBGM(イメージした音楽)は私が勝手に想像しているものです。

とてつもないネタバレを含みます。





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00.【それは、或る事が起こる数時間前。】

気が付いたらそこに居た、というのが相応しい。木々の葉の隙間から覗く陽が草花に当たり、緑の光を放っている。背の低い草に頬を撫でられ、背面に土の温かさを感じる。心地の良い鳥の声や風の音が、異空間とも感じられ、爽やかなほど心地が良かった。

「…だ………か…」
ふと、微かに言葉が聞こえた。
あぁ、誰か居るの?と少し名残惜しく夢心地の脳が目覚めていく。
「立てるか?」
見れば目の前には白い蛇。覚えのある姿と声に、なんとか状況を思い出すことができた。
「うん。大丈夫だよ、コーダ」
倒れている自分の胸の上に乗っているのは、唯一の旅の仲間である白蛇コーダだった。
エンは倒れる前、木に登り実を採ろうとし、足を枝にかける所を踏み外して落下、そのまま気を失っていたらしい。通りで、少し腰が痛い。
上を見れば赤々とした丸い実が手の届かない枝から自分たちを見下していた。
「しょーがない、街へ行くまで食事は無しだね」
「あんな果実なんて食べてもロクな事はないよ」
「コーダが嫌いなだけでしょ、それ」
服についた土を払い立ち上がった。
簡単に伸びをし、また森の中を歩き始めた。

エンが旅をする目的は、生きている内にこの世界をどれだけ知ることができるかという抽象的なものだった。しかしそれが自身に課せられた業だと、教えられた。それがこの旅に出る切っ掛けでもあった。
「今日は何か、楽しい事はおこるかな?」
毎朝の挨拶のようにコーダへ尋ねる。すると彼はゆっくりと諭すように、何も起こらない日なんて無いさ、と言う。
「それに気付いて、楽しめるかが大事なんだ」
その応えに、エンは相変わらず不思議な事を言う蛇だ、と思うが、その変わった考えに何度となく救われているのも事実だった。
「じゃあ、今日は特別な事が起こると言うことにしておくよ。決めた!」
「求めれば与えられる、だ」
何も起こらない日などない。起こる出来事を特別に感じられるかどうかは、その日を生きる者次第だ。
そしてまた、一人と一匹は道のない森の中を歩く。


――それは、ある特別な出来事に会う数時間前のプロローグ。



***
コーダはあざな。







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【蛇を連れたある旅人のはなし】

そうですね…暇つぶしにでもなれば幸いですが…。
私が歩いた世界のひとつの話をしましょうか。
私が出会った、素敵な世界のひとつ。

そこは、風のお姫様が居た世界。
そこは、美しい魔王が住む世界。
そこで私は沢山の人を見ました。
人間ではない、亜人も沢山いたけれど
みんな誰かの為に闘って、それぞれの目的を持っていた。

“味方”と“敵”の位置付けはあったけど、みんな仲が良さそうでした。
もちろん、私もとても楽しかった。
魔法使いは勿論いたし、羽の生えた猫さんを召還できる人や、機械を生み出す人も居た。


ただ、私は自分から、その世界から去ることを決めたんです。
まぁ、心残りもあったけど…。
あの人に会う為にはこれが一番いいと思ったんです。
彼も、もういいだろうっていうし……あ、怖がらないでも大丈夫ですよ。彼は私の相棒です。
毒なんかありませんよ~。…多分。



…あんまり面白くなかったかな…口で話すのは慣れてないんで…。
長々と聞いてくれてありがとう。
貴方も機会があれば、その世界に巡れると思いますよ。

また出逢えたら良いですね。

それでは、良い旅を…。






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F S 9 * ラクナ

「その立っている男は、突然青い砂漠の世界に落とされたんだ。
 自分がいた元の世界とは別の世界にね」
店主曰く、その青い砂漠はその物語の舞台らしい。
青い砂漠の上に立つ赤い服を着た青年は、砂漠の色よりも少し濃い青をした空を見上げている。
その空に雲はひとつもない。
もし彼が横に転がっている絵であれば、どちらが地面かわからなかっただろう。
ただ、青が広がるその世界。

「青色は綺麗だよね」
ただその絵に魅入る2人に店長の声がするりと耳に入ってくる。
2人が驚いて見ると、彼はシィナを指差して「キミの髪は綺麗な空色だ」と言った。
その言葉に照れたのか、はにかみながら頭を軽く掻いていた。
そして、店主はシィナに向けていた指をコルトへ向けて、言った。
「あなたは黒が似合う」
黒い髪、黒い瞳を持つコルトに、その言葉は響いた。
今はローブで顔を深く覆っているから黒髪は見えないはずなのに。
「でも、」
一呼吸おいて、コルトは言った。
バレてはいないはず。見られてはいないはず。
「黒は不吉の色です」
その言葉に店主はますます目をカーブさせ、まるで三日月のように目を細くして
「それは此処の世界の話でしょう」と言った。
「黒を持つ者は白を持つ者でもある」とも。
影に隠れていてよく見えなかったが、その細い三日月ような目は
左目が青く、右目が赤い色をしていた。――オッドアイ、というのだろうか。
深い色をした赤と青の瞳は、全てを見透かすかのように、じっとコルトに向けられている。


シィナは既に本を元の場所に戻して、コルトの横に立ってこっそりと服をひっぱった。
「(コルト、もう行こう)」
店主に聞こえないように、静かに彼は言った。
彼も、店主のその左右の瞳を見たのだろう。

「それじゃあ、陽も傾いてきたから店を閉めるよ」
そういって店主は手際よく本を大きな布に包み、片付けていく。
もしかしたら、先程のシィナの声が聞こえたのかもしれない。
「キミ達も旅人だろう?それなら早く宿へお帰り」
丁寧に本を束ね、2つほどの大きな包みにすると
今度はそれよりも大きな袋にその包みを入れ始めた。
本当に手際がいい。
思わずその姿をぼうっと眺めていたコルトを、店主はひらひらと手招きした。
店主は陽で少し赤くなった地面に「楽奈」と書いた。コルトは屈んで、それを見る。
「これは?」
「ラクナ、と読む。私の名前だよ」
異国の文字。それは彼が並べている本の中で見る文字とよく似ている。
「またあなたに会う気がするから」
そう言った彼の眼は三日月よりも細い曲線になっていた。
「ばいばい、旅人さん方」
そう言って楽奈は大通りとは反対側の薄暗い路地裏へと消えていった。
彼の座っていた所に彼の跡は無い。もう一度、彼の書いた“文字”を
見ようと地面を見たが、それも見当たらなかった。

本当に蛇のようだったな、と彼の消えた方をみて、コルトは思った。





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