[sor ato e ru]
青空の羽を秘める少年と、堕ちた神の使いに似て非なる者の話
FANTASY STORY ***
2人は近くの木の側で休息を取っていた。
シィナは根元に腰を下ろし後ろに手をついてコルトは木に寄りかかり立ったまま休んでいた。
「なかなかみつからないね」
コルトは体こそ休めているが、目はまだあたりを見回して探していた。
「そーだな。てか、そもそも依頼を出してる時点でなかなか見つからないんだろうけど」
「え、そうなの?」
コルトはきょとん、とした顔で横に腰を下ろしたシィナを見つめる。
その表情に、シィナは嫌な予感がした。
「そうなの、っておまえ…まさかすぐに見つかるさハッハーとか思ってたわけか…?」
シィナが言うと、コルトの尻尾が大きく、びくりと反応した。
とたんに表情は硬くなり、冷や汗も見えそうな苦笑の笑顔。
普段やわらかい尻尾までが真っ直ぐに伸びていた。
「だ、だって、依頼人あきらかに一般人だしそんなに難しそうじゃなかったし
探し物なんて一日二日で見つけられるだろ!」
「なッ…!!」
まさかとは思ったが、本当にそんなことで依頼を受けたのか。
予感が的中したシィナは、年配者のようにため息と肩を落とした。
「シィナって物知りだね」
「コルトが世間知らずなだけだっての」
シィナは根元に腰を下ろし後ろに手をついてコルトは木に寄りかかり立ったまま休んでいた。
「なかなかみつからないね」
コルトは体こそ休めているが、目はまだあたりを見回して探していた。
「そーだな。てか、そもそも依頼を出してる時点でなかなか見つからないんだろうけど」
「え、そうなの?」
コルトはきょとん、とした顔で横に腰を下ろしたシィナを見つめる。
その表情に、シィナは嫌な予感がした。
「そうなの、っておまえ…まさかすぐに見つかるさハッハーとか思ってたわけか…?」
シィナが言うと、コルトの尻尾が大きく、びくりと反応した。
とたんに表情は硬くなり、冷や汗も見えそうな苦笑の笑顔。
普段やわらかい尻尾までが真っ直ぐに伸びていた。
「だ、だって、依頼人あきらかに一般人だしそんなに難しそうじゃなかったし
探し物なんて一日二日で見つけられるだろ!」
「なッ…!!」
まさかとは思ったが、本当にそんなことで依頼を受けたのか。
予感が的中したシィナは、年配者のようにため息と肩を落とした。
「シィナって物知りだね」
「コルトが世間知らずなだけだっての」
FANTASY STORY **
月が昇り始めた頃。
まだ空は群青色。
闇夜の森中、目立つ水色の髪の少年がひとり蹲<うずくま>っている。
「しっかし…なんだってこんな仕事の依頼を受けたんだよー…」
額の汗を拭いながら、少年―シィナは言った。
「仕方ないでしょう。もうほとんどお金残ってないし、
仕事受けないと夜ご飯だって食べられない状況なんだから」
周りに聳え立つ大木の枝の上から、コルトの声が落ちてきた。
恐らく、遥か高くの上まで登っているのだろう。姿は見えなかった。
「なぁ、もうそろそろ今日は休もうぜー。もう夜だぜ、危険だぜー」
徐々に森の木々が黒に染まり始めている。
闇の中の森は只でさえ危険が多い。
わかった、と、小さな声が聞こえると、周りの木々はがさがさと葉を揺らし
落ちてくる葉と共に音もなくコルトが姿を見せた。
その姿は、並の人間だったら、はたと目をとめてしまうだろう。
まず目にとまるのは、後ろにぶら下がっている太めの尻尾。
その尻尾から、コルトが亜人だということを知らせている。
―そもそも亜人は、この世界にとって数少ない種族であり、独自の集落を持っているので
自ら村を離れるといったような事をしない限り、滅多に人前には姿を現したりはしないのだ。
亜人という存在も人目を惹くのだが、コルトにはさらに注目される理由があった。
コルトは、この世界で最も珍しいとされる“漆黒”の髪をしているのだ。
夜に染まる森の中、短く整えられた髪はいっそう黒く、美しく風に揺れていた。
まだ空は群青色。
闇夜の森中、目立つ水色の髪の少年がひとり蹲<うずくま>っている。
「しっかし…なんだってこんな仕事の依頼を受けたんだよー…」
額の汗を拭いながら、少年―シィナは言った。
「仕方ないでしょう。もうほとんどお金残ってないし、
仕事受けないと夜ご飯だって食べられない状況なんだから」
周りに聳え立つ大木の枝の上から、コルトの声が落ちてきた。
恐らく、遥か高くの上まで登っているのだろう。姿は見えなかった。
「なぁ、もうそろそろ今日は休もうぜー。もう夜だぜ、危険だぜー」
徐々に森の木々が黒に染まり始めている。
闇の中の森は只でさえ危険が多い。
わかった、と、小さな声が聞こえると、周りの木々はがさがさと葉を揺らし
落ちてくる葉と共に音もなくコルトが姿を見せた。
その姿は、並の人間だったら、はたと目をとめてしまうだろう。
まず目にとまるのは、後ろにぶら下がっている太めの尻尾。
その尻尾から、コルトが亜人だということを知らせている。
―そもそも亜人は、この世界にとって数少ない種族であり、独自の集落を持っているので
自ら村を離れるといったような事をしない限り、滅多に人前には姿を現したりはしないのだ。
亜人という存在も人目を惹くのだが、コルトにはさらに注目される理由があった。
コルトは、この世界で最も珍しいとされる“漆黒”の髪をしているのだ。
夜に染まる森の中、短く整えられた髪はいっそう黒く、美しく風に揺れていた。
FANTASY STORY *
中途半端なので隠し。
軽く登場人物紹介。
コルト=ロルト
→尻尾をもつ亜人の一種。
この世界では珍しい漆黒の髪・茶色の瞳。
トレジャーハンター。21歳。
シィナ=トリトン
→人間。男。
水色の髪・黄色の瞳。機械化学者。16歳。
パコミタ=ソープ
→エルフ。女。
金髪・紫色の瞳。魔法使い兼占い師。年齢不詳。
クラフ(本名アル=ロッソ=クラファニウス)
→人間?男。
銀髪・赤色の瞳。騎士?23歳。
軽く登場人物紹介。
コルト=ロルト
→尻尾をもつ亜人の一種。
この世界では珍しい漆黒の髪・茶色の瞳。
トレジャーハンター。21歳。
シィナ=トリトン
→人間。男。
水色の髪・黄色の瞳。機械化学者。16歳。
パコミタ=ソープ
→エルフ。女。
金髪・紫色の瞳。魔法使い兼占い師。年齢不詳。
クラフ(本名アル=ロッソ=クラファニウス)
→人間?男。
銀髪・赤色の瞳。騎士?23歳。
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