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シュヤクノセカイ

少年は、自分を殺した。

「こんな世界とは、さよならだ」

激痛が走った。
寒くなって、熱くなった。
意識が遠のいた。


そして


「何やってんの!主人公!」

目が覚めた。
「あ…れ?」

死んだはずの自分。
助かってしまったのか。失敗したのか。
「何言ってんのよ!あんたはこの世界に来た主人公なんだよ」

俺が―――主人公?

「この世界にはあなたが必要なの」

死後の世界は

「なんで、お前なんかが主人公なんだ」

天国でも地獄でもなく

「てめぇ、主人公だな?」

自分が主役になる

「主人公が逃げてどうすんのよ!」

現実だった


勘弁してくれ!!

『さよなら、主人公…』




シュヤクノセカイ

かみんぐすーん。(嘘)







誰だって、自分の人生は自分が主役なんだよ。






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『私はヒーローにはなれないようだ』

“誰かを助けらる力のあるひとは立派なヒーローであり世界の主役になれるひとであると思うが、そんなのはごく少人数であるので
せめてかなしい気持ちでいるにひとに「大丈夫だよ」と言えるひとになれたら十分だと願うが
そんな根拠を見いだせない私はやはり祈る、つまり何も出来ないと同じであることは否めない”



“主役でなくても、主役を支える友人、ライバルやヒロインでなくても構わない。ただここにヒーロー達の無事を祈る脇役が居ることを忘れないで欲しい”






ふと書いてみた。
厨二炸裂。





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俺の手とは違う、と言われた

「私の手は油とか、泥まみれですよ?」

「ならば、血で汚すまでもない」

「お前が浴びようとする血は、俺が全て受ける…故に」



「…嬉しいですね、そう言って貰えるなんて。けれど」





私にはもう、血がこびり付いて、取れないんですよ.






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【同情は妄想の産物か】

「左腕のない君の苦しみを左腕のある私が理解できる、と言えば嘘に成るだろうな」
あまりにも自然に言葉を出す彼に、驚きを隠せなかった。
「全く同じ感情になど成れはしないが、
 例えば、そうだな。これを食べてみてくれ」
そう言って彼が手渡したのは、一欠片のチョコレートだった。
言われるがまま口に入れれば、その甘さと香りが舌の上に溶ける。濃厚に味の存在を残し、形は失われた。
「どう思った?」
「甘、い」
「そうだろう」
彼もまた、同じチョコレートを口に入れた。
「うん、甘い」

「こんな風に私は君と限りなく似た感情を共有する事なら出来る」
ニヤリと笑う。
「つまり、だ。君、私の頬を抓ってみろ」
あまりに突然なのでどうしたものかと躊躇したが、彼は小声で
「別にマゾヒストの気は無い」と言った。
右腕を伸ばし彼の頬を抓る。口の端が上に向かい、滑稽な表情になった。
すると左腕を伸ばして私の左頬を抓り返された。
「痛っ…」
「このように限りなく似た痛みを共有する事も、不可能ではないはずだ」

もっと簡潔に伝えてくれ、と言えば、これが一番分かりやすいだろう、と彼は笑った。






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【my シャングリラ!】

部屋に入ってから、背中を向けて座るあいつは俺と一言も喋らなかった。
ここへ来るまでの彼は、端から見れば不機嫌だと思われる行動が見られたのだが、長い付き合いの俺から見ればそれは大きな間違いだ。彼は落ち込んでいる。それも、相当。
恐らく、一人で居る時にまた仕事のことで何か言われたのだろうか。少し距離のある小柄な背中は何も語らない。

二人で居るときに喋らない事は特に異常ではなかった。しかし、そのせいか今は部屋に染み付いた煙草の臭いが余計鼻についていた。
以前、俺が仕事でヘマをして凹んだ時、あいつは何も訊かずただ話をして、励ましてくれた。あの時彼は何と言っていたかと思い出してみても、それが彼を励ます最善の方法なのかもわからない。
たどり着いたのは、やはり単純な言葉しかなかった。
なぁ、と呼び掛け、ゆっくりと近づいた。
「泣きたいなら泣けばいい」
あいつの小さな背中のに向かい、そっと囁いてみた。
「俺のでよければ胸を貸すぞ?」
あながち冗談でもないのだが、冗談混じりに言わなければ、こんな恥ずかしい事を言える訳がない。
「…馬鹿じゃねぇの」
無視をされるかと思われたが、応えてくれた彼の声は想像していた程暗くはなくて。
「お前こそ、俺に余計な心配かけんじゃねぇよ」
と、振り向いて拳で軽く胸を叩かれた。彼は立ち上がり、欠伸をした。
「お前とこうやって居られることも、一応幸せなんだよな」
振り向き、俺に言った。
不意をつかれたその一言に、目の前の霧が一瞬で晴れた様な気分になった。

そして気がつく。
もしかすると救われたのは俺の方だったのか、と。

荷物をまとめ、既に部屋から帰ろうとしている彼を呼びとめた。
「お前それ本気で言ってんのか」
「だったら何だよ」
「もう一回言っ」
「調子乗んな」






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