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【感想文】語れないのか、向き合えないのか、

藤代 泉『ボーダー&レス』

図書館で表紙借りした本。
内容全然知らなかったけど、過去の芥川賞候補だったんですね。
 そして文藝賞受賞作。



新人社員の青年2人の、あるボーダーについての話。

p131「お前にはどうでもよくても俺にはどうでもよくないんだよ。国も民族も」







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新入社員として出会った江口(りーりん)と趙成祐(チョ ソンウ)の、青春小説。
江口目線で進む、友人と社会と女と…といった感じ。
青春小説って大体そんなもん?
けど、内容の中には+ソンウの在日という問題が纏わりついている。

ソンウはとても人間らしい、と感じました。
りーりんと呼ばれる江口はいつも「どうして」と思う。「どうして」が繰り返される。
それに対してあらゆる答えを自分の中で意識してはいたけど、明確にするのはいつも他の誰かなんだよね。
特にソンウは江口の答えを明確に言葉にしてくれた人で。
でも江口はその「どうして」を自分で考えて明確にしなくちゃいけなくなります。
それが、そのソンウに対する事だった。
その考えていく様子とか、ソンウに会って、最初はチャラい(笑)印象だったりーりんが
だんだん変化していくなーとかんじられました。

台詞には、直接的な下ネタや、若者的な言葉遣いが多いです。

p33「ネクタイのラインナップを見つめながら、意気揚々と選びたおし吟味し、「これだ!」と究極の一本を持って試着の終わったソンウに提示したら「やだ」と明確に拒絶された。まかせるって言ったじゃないか。もう、一人っ子はこれだから。」
ここがすごく好きで、思わずメモ。
「一人っ子はこれだから」ここの直前で行われた「合コンの女」とかかってくるんじゃないかと思う。思い込み、という点で。




※そして。 ここからちょっと、いつものゆがんだ目線で語らせて頂きます。



表紙のカラーと、タイトルだけで借りた、図書館の棚の下角にあった本だったけど、
とても好みでした。キャラクターと行動と会話が!
ソンウかっけー。ソンウの親父もまじかっけー。

火のない所に煙はたたず、しかし火のない所に煙をたたしたくなる、
そんなりーりんとなりすけ(ソンウ)の関係でした。邪な目で見てすみません。
りーりん、なりすけに頼りまくりなところとか、
なりすけみたいな淡々としてて、りーりんの支えになってた(と勝手に思ってた)男が、
“ある話”で爆発しちゃうところとか、ラストの夕焼けのベンチの二人の瞬間とか
話の流れがとても好きでした。ていうか
あやふやで無気力流され主人公と、飄々(淡々?)だけど違う何かをしっかり持ってる友人という
組み合わせが大好きなんです。その主人公が友人の為に必死になるのも良い。

p95
「僕はさ、国とか民族とかそういうのはどうでもよくて、単純にソンウのことがとても好きなんだけど、そういうことを言われるのも複雑だったりする?」
「別に複雑とかじゃないよ。性愛的な意味じゃなければ」

さりげなく交わされるこの台詞が、後に関わってくるし、
この台詞が言われている状況もまた、彼らにとってすごく重要なところ。


あ、パラパラ読み返してたら、
りーりん(語り手)が「僕」で、ソンウが「俺」なんだね。
だからなんだと言われたらあれなんだけど。










私が図書館で表紙借りする本は大抵それっぽいキャラと会話があるから嬉しくて。
「気になったら手に取って読んでみると良いい」と囁いたあいつの声は正しかった。

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