[sor ato e ru]
青空の羽を秘める少年と、堕ちた神の使いに似て非なる者の話
FANTASY STORY ****
シィナが腰に巻いているバックパックから携帯食を取り出し食べているのに対し
コルトは未だ、座ろうともしない。
「コルトー、飯ぐらい食べとけよー」
声をかけるが、コルトは尻尾すら反応させない。
先ほどから一点を見つめ続けている。
「なぁ、コル……」
「居た」
え、とシィナが振り向いたとき、すでにコルトは風の音をたてて自分の視線の先へと走っていた。
亜人であるコルトは、体こそ人間だが、走ることは動物並に素早い。
それが亜人の特徴でもある。
跳ぶように木々や茂みを掻き分け一点へ向かう。
風に紛れて微かに聞こえてくる音―まるで森の木々の激しい鼾<いびき>のような
飢えた音が徐々に近くなってゆく。
太い幹を高く蹴り、枝へ登った時、コルトはその鼾を出す生き物を確認した。
「やっぱりだ」
視線の先には暗闇の中に青白く光る金色の毛並―狼のような姿をしているが
それよりもいくらも凶暴な野生獣がいた。
毛は逆立ち尻尾は膨らんでいる。それは明らかに興奮していることが分かった。
コルトは大きく木を揺らして高く跳び降り、野生獣目掛け左足を大きく振り落とした。
地面を踏む感覚と共に野生獣の甲高い鳴き声が響いた。コルトの蹴りの勢いに耐え切れなかった
のか、奥にある木へと背中からぶつかっていた。しかしすぐに体制を正し、さらに興奮したような眼は
コルトを捕らえ、鋭い牙の間からは腹の底から響くように吠えた。
並みの人間ならば、その声だけで立ち上がれなくなるだろう。
しかしコルトは、まるで友人をなだめるように落ち着いた声で、言った。
「いきなり蹴ったりごめんよ。でも、アレがないと私達が困るんだ」
言葉が通じているかどうかは分からなかった。
しかし野生獣も唸り声を上げてはいるものの、動きはみせない。
更に念を押すように、コルトの濃い茶の色をした眼は鋭く獣を睨み返した。
ファンタジーストーリー(仮)。
*の数がどんどん増えていきます。
どんどん長くなったら嫌だ。
普通の日常日記よりこれの方が増えるってどうなの。(知らん
コルトは未だ、座ろうともしない。
「コルトー、飯ぐらい食べとけよー」
声をかけるが、コルトは尻尾すら反応させない。
先ほどから一点を見つめ続けている。
「なぁ、コル……」
「居た」
え、とシィナが振り向いたとき、すでにコルトは風の音をたてて自分の視線の先へと走っていた。
亜人であるコルトは、体こそ人間だが、走ることは動物並に素早い。
それが亜人の特徴でもある。
跳ぶように木々や茂みを掻き分け一点へ向かう。
風に紛れて微かに聞こえてくる音―まるで森の木々の激しい鼾<いびき>のような
飢えた音が徐々に近くなってゆく。
太い幹を高く蹴り、枝へ登った時、コルトはその鼾を出す生き物を確認した。
「やっぱりだ」
視線の先には暗闇の中に青白く光る金色の毛並―狼のような姿をしているが
それよりもいくらも凶暴な野生獣がいた。
毛は逆立ち尻尾は膨らんでいる。それは明らかに興奮していることが分かった。
コルトは大きく木を揺らして高く跳び降り、野生獣目掛け左足を大きく振り落とした。
地面を踏む感覚と共に野生獣の甲高い鳴き声が響いた。コルトの蹴りの勢いに耐え切れなかった
のか、奥にある木へと背中からぶつかっていた。しかしすぐに体制を正し、さらに興奮したような眼は
コルトを捕らえ、鋭い牙の間からは腹の底から響くように吠えた。
並みの人間ならば、その声だけで立ち上がれなくなるだろう。
しかしコルトは、まるで友人をなだめるように落ち着いた声で、言った。
「いきなり蹴ったりごめんよ。でも、アレがないと私達が困るんだ」
言葉が通じているかどうかは分からなかった。
しかし野生獣も唸り声を上げてはいるものの、動きはみせない。
更に念を押すように、コルトの濃い茶の色をした眼は鋭く獣を睨み返した。
ファンタジーストーリー(仮)。
*の数がどんどん増えていきます。
どんどん長くなったら嫌だ。
普通の日常日記よりこれの方が増えるってどうなの。(知らん
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