[sor ato e ru]
青空の羽を秘める少年と、堕ちた神の使いに似て非なる者の話
カ ル ナ ヴ ァ ル
いつかどこかの小さな村で
三日月の晩にひとりの娘を
森の神へ捧げる祭があった。
しかしある時
生け贄の少女を
少年が連れ去った
迫る追っ手は森を焼き
2人は森の奥まで逃げて
大きな樹へとたどり着く
最後に2人は呟いた
『一緒に還ろう』
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
選択は5つ
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
広場で祭を謳う
2人の後を追いかける
少女の心のトビラを開ける
大きな樹の上に輝く星を飾る
誰も知らない約束の祝祭を上げる
三日月の晩にひとりの娘を
森の神へ捧げる祭があった。
しかしある時
生け贄の少女を
少年が連れ去った
迫る追っ手は森を焼き
2人は森の奥まで逃げて
大きな樹へとたどり着く
最後に2人は呟いた
『一緒に還ろう』
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選択は5つ
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広場で祭を謳う
2人の後を追いかける
少女の心のトビラを開ける
大きな樹の上に輝く星を飾る
誰も知らない約束の祝祭を上げる
ライラック
あのね、ぼくの誕生花って“ライラック”っていうんだよ。
誕生花は白色なんだけど、紫色のかわいいのもあるんだ!
その花言葉が「うつくしいちぎり」っていうんだってさ。
ちぎりって、約束って意味なんだってさ。サティに教えてもらった。
綺麗な約束。なんか素敵だよね。
……。
ねぇ、モリヅカさん。
あの時の約束、ぼくはまだ覚えてるよ。
さくらがさ、すっごく、綺麗だったよね。
天気も良くてさ。今日も、すごくいい天気だよ。
風と雲がきれいな、すごくいい天気。
雨なんか降ってないからね。
……。
ねぇ。モリヅカさん。
待ってるからね。
約束、破ったりしないでね。
ぼくの花言葉は、うつくしいちぎり、なんだから。
誕生花は白色なんだけど、紫色のかわいいのもあるんだ!
その花言葉が「うつくしいちぎり」っていうんだってさ。
ちぎりって、約束って意味なんだってさ。サティに教えてもらった。
綺麗な約束。なんか素敵だよね。
……。
ねぇ、モリヅカさん。
あの時の約束、ぼくはまだ覚えてるよ。
さくらがさ、すっごく、綺麗だったよね。
天気も良くてさ。今日も、すごくいい天気だよ。
風と雲がきれいな、すごくいい天気。
雨なんか降ってないからね。
……。
ねぇ。モリヅカさん。
待ってるからね。
約束、破ったりしないでね。
ぼくの花言葉は、うつくしいちぎり、なんだから。
黒い影と桜の木
「あれ」
ふと声に出したのも束の間
見えたのは黒い影。
影に見えるのも、それは月明かりが眩しいせいで。
「家出さん、かな」
黙って月を見ていた家出さんに話し掛けてみた。
背の高さからして、生まれてからずいぶん経っているだろう。
耳の形で種類はクンパだとわかった。
振り向くと右目に黒い眼帯もしていた。
その時の印象は、黒と白。
生まれたてのクンパと同じ色をしていたのだ。
「ああ、すまない。懐かしい香りがしたもので」と彼は笑った。
安定した低い声だった。
「すごいな、秋なのに桜の木を飾っているのか」
そう言って彼は桃色の花が咲く枝を触った。
そう。今日は珍しいんだ。
「今日は?」
普段ならここの島主は桜の木を飾りたがらない。
なのに、今日になって突然桜の島を飾りだしたんだ。
「へぇ」
相槌かも納得かもわからない声を、彼は出した。
ゆるくかかったパーマの髪は漆黒。満月と桜が異様に似合っていた。
「どうして、桜の島を買ったの?」
突然の問いかけに少し戸惑った。自分もまた、桜に見惚れていたからだ。
…本当は、ここの島主は桜が嫌いなんだ。
何年か前の春に、この「桜の島」が再販されたとき
自分が島主に無理をいって購入してもらったのだ。
「君が?そんなに欲しかったの」
そう。
「へぇ」
今度の声は、すこし笑いも含まれていた。
ふわりと風が吹いた。
小枝と花が揺れて、香りとともに花びらが落ちてくる。
「俺も、桜の島が好きなんだ」
ちらちらと踊りながら降る花びらを掌にのせて彼は言う。
「だけど俺の好きだったこは桜が嫌いなんだ。
前はあんなに好きだって言ってくれてたのになぁ」
へぇ、じゃあ一緒だ。
自分の愛する者も桜が嫌いなのだ。だから飾りたがらない。
しかし今日になって、桜の島を飾るといってくれたのは少し嬉しかった。
「じゃあ、今日はラッキーだったね。
ここの島の桜が舞い散るところなんて滅多に見られないわけだ」
そう、あなたは運がいい。
ここの島の桜は、人のために、滅多に咲かないのだから。
「そういえば、君の色は俺の好きだったこと似ているな」
そういってクンパは目を細めた。「紫色は美しい幻想の色だ」
彼の言った言葉に、思わず頬を緩めてしまう。
色を褒められると無性に嬉しく感じる。
それは恐らく自分の愛する者も自分と同じ色をしているから。
そしてその言葉に、聞き覚えがあったから。
「なぁ、ここの島主君、元気かな」
ああ、元気だよ。今も奥で気持ちよさそうに眠っている。
「そっか。きっと何か良い夢をみているんだろうな」
ああ、きっとそうだろう。
満月の光に白い花は優しく光る。
この桜も明日にはなくなっているだろう。そんな気がした。
「じゃ、満開も見れたことだし帰るかな」
家出が自分から帰るのか?
思わず笑ってしまった。
彼はよほど主人がすきなのか、若しくは軽い冗談なのだろう。
「ああ、あんま長くは居られないからな」
どうやら彼は本気で帰るらしい。
気をつけて変えれよ、と言葉を添えた。
「おう、ありがとな」
彼が立ち上がると、地面に落ちていた花びらが再び宙に舞う。
とたんに強い風が音をたてて吹いた。
「ばいばい、ソテ」
「え」
強く吹いた風の後。
満開の桜はまだ満月に輝いている。
たった今まで目の前に居た男は、影も残さずに消えていた。
ふと声に出したのも束の間
見えたのは黒い影。
影に見えるのも、それは月明かりが眩しいせいで。
「家出さん、かな」
黙って月を見ていた家出さんに話し掛けてみた。
背の高さからして、生まれてからずいぶん経っているだろう。
耳の形で種類はクンパだとわかった。
振り向くと右目に黒い眼帯もしていた。
その時の印象は、黒と白。
生まれたてのクンパと同じ色をしていたのだ。
「ああ、すまない。懐かしい香りがしたもので」と彼は笑った。
安定した低い声だった。
「すごいな、秋なのに桜の木を飾っているのか」
そう言って彼は桃色の花が咲く枝を触った。
そう。今日は珍しいんだ。
「今日は?」
普段ならここの島主は桜の木を飾りたがらない。
なのに、今日になって突然桜の島を飾りだしたんだ。
「へぇ」
相槌かも納得かもわからない声を、彼は出した。
ゆるくかかったパーマの髪は漆黒。満月と桜が異様に似合っていた。
「どうして、桜の島を買ったの?」
突然の問いかけに少し戸惑った。自分もまた、桜に見惚れていたからだ。
…本当は、ここの島主は桜が嫌いなんだ。
何年か前の春に、この「桜の島」が再販されたとき
自分が島主に無理をいって購入してもらったのだ。
「君が?そんなに欲しかったの」
そう。
「へぇ」
今度の声は、すこし笑いも含まれていた。
ふわりと風が吹いた。
小枝と花が揺れて、香りとともに花びらが落ちてくる。
「俺も、桜の島が好きなんだ」
ちらちらと踊りながら降る花びらを掌にのせて彼は言う。
「だけど俺の好きだったこは桜が嫌いなんだ。
前はあんなに好きだって言ってくれてたのになぁ」
へぇ、じゃあ一緒だ。
自分の愛する者も桜が嫌いなのだ。だから飾りたがらない。
しかし今日になって、桜の島を飾るといってくれたのは少し嬉しかった。
「じゃあ、今日はラッキーだったね。
ここの島の桜が舞い散るところなんて滅多に見られないわけだ」
そう、あなたは運がいい。
ここの島の桜は、人のために、滅多に咲かないのだから。
「そういえば、君の色は俺の好きだったこと似ているな」
そういってクンパは目を細めた。「紫色は美しい幻想の色だ」
彼の言った言葉に、思わず頬を緩めてしまう。
色を褒められると無性に嬉しく感じる。
それは恐らく自分の愛する者も自分と同じ色をしているから。
そしてその言葉に、聞き覚えがあったから。
「なぁ、ここの島主君、元気かな」
ああ、元気だよ。今も奥で気持ちよさそうに眠っている。
「そっか。きっと何か良い夢をみているんだろうな」
ああ、きっとそうだろう。
満月の光に白い花は優しく光る。
この桜も明日にはなくなっているだろう。そんな気がした。
「じゃ、満開も見れたことだし帰るかな」
家出が自分から帰るのか?
思わず笑ってしまった。
彼はよほど主人がすきなのか、若しくは軽い冗談なのだろう。
「ああ、あんま長くは居られないからな」
どうやら彼は本気で帰るらしい。
気をつけて変えれよ、と言葉を添えた。
「おう、ありがとな」
彼が立ち上がると、地面に落ちていた花びらが再び宙に舞う。
とたんに強い風が音をたてて吹いた。
「ばいばい、ソテ」
「え」
強く吹いた風の後。
満開の桜はまだ満月に輝いている。
たった今まで目の前に居た男は、影も残さずに消えていた。
くせになった。
「水を流すには歌を歌わなくてはなりません。
そのために私がいるのです」
「しかし、それでは貴女が亡くなったら
もうこの水門は開かれなくなるのですよ」
「そうですね」
「ならば、貴女はこの国を見殺しにするというのですか」
「それが、この国の為なのです」
ここは伝説に残る歌唱式水門
* * *
今日、地元へ帰った。
海が見える、高い高い岬を見に行った。
そこは幼い頃にも、幾度か行ったことがあった。
しかし同じ場所に立ったとき
幼い頃とは違う感情が湧き上がることに気付いた。
幼い頃、そこは母に抱かれた時のような
美しく寛大で、全てを委ねてみようと思ったものだ。
しかし今、この海を見て想う。
なんて、恐ろしい場所なんだ、と。
ここは母なる海の恐怖岬
そのために私がいるのです」
「しかし、それでは貴女が亡くなったら
もうこの水門は開かれなくなるのですよ」
「そうですね」
「ならば、貴女はこの国を見殺しにするというのですか」
「それが、この国の為なのです」
ここは伝説に残る歌唱式水門
* * *
今日、地元へ帰った。
海が見える、高い高い岬を見に行った。
そこは幼い頃にも、幾度か行ったことがあった。
しかし同じ場所に立ったとき
幼い頃とは違う感情が湧き上がることに気付いた。
幼い頃、そこは母に抱かれた時のような
美しく寛大で、全てを委ねてみようと思ったものだ。
しかし今、この海を見て想う。
なんて、恐ろしい場所なんだ、と。
ここは母なる海の恐怖岬
書いてみたかった。
「早く帰って来るのよ」
おかあさんのこえがした。
もうききなれたわ。
おひさまがしずむまえにはかえるわね。
きれいなおはなのかんむりもって。
まだおひさまはめのまえに。
ここは午後には帰る9時花畑。
* * *
「俺たちが死んでもこの戦争はおわらないだろうな」
「だからと言って命令に背く訳にもいくまい」
「そもそも新しく出来た都がどうして古い都を求めるんだ」
「愚問だな」
「この世界事態が狂ってるんだ」
「狂った奴らがこの世界の中心となっているだけだ」
「最悪だな」
「全くだ」
ここは戦いの終わらないバレン古都。
文字数がないから思う存分妄想が膨らんでこんなことに。
おかあさんのこえがした。
もうききなれたわ。
おひさまがしずむまえにはかえるわね。
きれいなおはなのかんむりもって。
まだおひさまはめのまえに。
ここは午後には帰る9時花畑。
* * *
「俺たちが死んでもこの戦争はおわらないだろうな」
「だからと言って命令に背く訳にもいくまい」
「そもそも新しく出来た都がどうして古い都を求めるんだ」
「愚問だな」
「この世界事態が狂ってるんだ」
「狂った奴らがこの世界の中心となっているだけだ」
「最悪だな」
「全くだ」
ここは戦いの終わらないバレン古都。
文字数がないから思う存分妄想が膨らんでこんなことに。
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