[sor ato e ru]
青空の羽を秘める少年と、堕ちた神の使いに似て非なる者の話
『虹色飴屋』を知ってるかい?
赤、橙、黄、緑、藍、青、紫、桃、白、黒
あらゆる色の、あらゆる味の飴玉を、取り扱ってる飴玉屋。
5年前に建てられた、小さな小さなそのお店。
幼い店主がお客さんを待っていた。
小さいながらににぎやかで、それなりに繁盛していたらしい。
いつの間にか月日は流れて
そのお店はもうなくなってしまった。
突然店主が消えてしまった。
そしてお店も潰された。
その住所はもうどこにもない。
ある日、猫は呟いた。
「虹色飴屋を知ってるかい?」
金と銀の眼を持つ子猫。
その透き通る猫ノ眼に、かつての飴屋を視るだろう。
店主はどこへいったんだろう、と尋ねれば
実は何処にもいっていない、と言われるだろう。
住所は消えてなくなって、どこにもありはしないけど
住所は変わって、深い森の、広い海の、高い空の、どこかにある。
「かつて僕が視た、あの飴屋はどこにある?」
「今はどこにもないけど、店主はきっとそばにいる」
猫は笑って姿を消した。
彼に会うには、また眼を頼りに進めばいい。
硝子球のような、ふたつの瞳。
今はきっと、寝息を立てている。
浅はかな、存在しない宇宙を夢見て、眠ってる。
小さな泡をはきながら。
あらゆる色の、あらゆる味の飴玉を、取り扱ってる飴玉屋。
5年前に建てられた、小さな小さなそのお店。
幼い店主がお客さんを待っていた。
小さいながらににぎやかで、それなりに繁盛していたらしい。
いつの間にか月日は流れて
そのお店はもうなくなってしまった。
突然店主が消えてしまった。
そしてお店も潰された。
その住所はもうどこにもない。
ある日、猫は呟いた。
「虹色飴屋を知ってるかい?」
金と銀の眼を持つ子猫。
その透き通る猫ノ眼に、かつての飴屋を視るだろう。
店主はどこへいったんだろう、と尋ねれば
実は何処にもいっていない、と言われるだろう。
住所は消えてなくなって、どこにもありはしないけど
住所は変わって、深い森の、広い海の、高い空の、どこかにある。
「かつて僕が視た、あの飴屋はどこにある?」
「今はどこにもないけど、店主はきっとそばにいる」
猫は笑って姿を消した。
彼に会うには、また眼を頼りに進めばいい。
硝子球のような、ふたつの瞳。
今はきっと、寝息を立てている。
浅はかな、存在しない宇宙を夢見て、眠ってる。
小さな泡をはきながら。
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