[sor ato e ru]
青空の羽を秘める少年と、堕ちた神の使いに似て非なる者の話
朽ち果ての意味
Achissporam Another Story *
「これ、あげるね」
奏太から受け取ったのは小さな小石。
光に当たると淡い群青色が混じる黒い石だ。
咲は人差し指と中指、親指で零さないように丁寧に目元まで持ち上げた。
「これは?」
「鷹目石。別名ホークアイ」
鷹の目――確かに、光によって写される細い青はまるで目のように見えた。
「ちなみに、ぼくが持ってるのは蛍石っていうんだよ」
そう言って首に下げていた紐を服の襟から手繰り寄せて、その石を見せた。
紫色の小さな石。アメジストのように輝きはしていないがどこか光をおびているようだった。
「どうして、オレにこれを?」
暫くその石達に魅せられていた咲だったが、ふと気が付いた疑問を奏太へ問い掛けた。
すると、彼はすこし照れたような、はたまた答えるのに迷っているような表情で
おとうさんが、と口にした。
「まだおとうさんが生きてたとき、ぼくにくれたんだ。いつかぼくを守ってくれる大切な人が現れるから。
だからそのとき、そのヒトにこの石をあげなさい、って」
「それが、オレだった……?」
ふわり、と柔らかく彼はうなずいた。
奏太から受け取ったのは小さな小石。
光に当たると淡い群青色が混じる黒い石だ。
咲は人差し指と中指、親指で零さないように丁寧に目元まで持ち上げた。
「これは?」
「鷹目石。別名ホークアイ」
鷹の目――確かに、光によって写される細い青はまるで目のように見えた。
「ちなみに、ぼくが持ってるのは蛍石っていうんだよ」
そう言って首に下げていた紐を服の襟から手繰り寄せて、その石を見せた。
紫色の小さな石。アメジストのように輝きはしていないがどこか光をおびているようだった。
「どうして、オレにこれを?」
暫くその石達に魅せられていた咲だったが、ふと気が付いた疑問を奏太へ問い掛けた。
すると、彼はすこし照れたような、はたまた答えるのに迷っているような表情で
おとうさんが、と口にした。
「まだおとうさんが生きてたとき、ぼくにくれたんだ。いつかぼくを守ってくれる大切な人が現れるから。
だからそのとき、そのヒトにこの石をあげなさい、って」
「それが、オレだった……?」
ふわり、と柔らかく彼はうなずいた。
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